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三上寛 / JOJO広重

三上寛、JOJO広重のライヴを観に高円寺のペンギンハウスに行った。

最初はJOJO広重が4人編成のバンドで演奏。バックの3人は全員女性。MCによると、最近は一人で演奏することが多かったそうなのだけれど、一人で弾き語りをすると殺伐としてしまうので、今日は久しぶりにバンド編成でやりますとのこと。わたしはJOJO広重一人だけの演奏を観たことがないので、むしろそのほうがよかったのだけれど、またきっと機会があるだろう。バンド編成のJOJO広重はおととしの暮れに東高円寺のUFO CLUBで観ているが、そのときに比べると今日のほうがリラックスして演奏しているように感じられた。あまり場内が暗くならず、みんな椅子に座ってみているこの会場の雰囲気のせいもあるかもしれない。それでも最後はテンション高く、JOJO広重の「死んでしまえばいい」という叫びが胸につきささってきた。

三上寛は北海道ツアーからの帰りで、空港から直行してこられたのだそうだ。精力的な活動ぶりでなにより。こないだ再発されたCD「十九歳二ヶ月十六日夜。」では三上寛の声が若いのにびっくりした(19歳だから当たり前なのだけれど)。わたしが三上寛のライヴをはじめて観てからはせいぜい7-8年ぐらい? この間、いつでもほとんど変わらないテンションの高いすさまじい演奏で、まったくはずれというものがない。観るたびにものすごく感動している。今日のライヴもとてもすばらしかった。ドラムセットがかたづけられ、いつものペンギンハウスの密集した様子に比べるとがらーんとした演奏スペースの中を縦横無尽に動き回りながら演奏していた。本当に元気でパワフルで、ギターの演奏もアヴァンギャルドだし、そして唄の内容がすさまじい。今日もすっかり打ちのめされてしまった。

最後にJOJO広重と三上寛のデュオが観られるかなと期待していたのだけれど、残念ながらそれはなかった。でも二組だけでももう十分だった。去年P.S.F.レーベルとAlchemy Recordsのイヴェントで観たJOJO広重と三上寛のデュオがすばらしかったので、またいつかこの組み合わせも観てみたい。

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cinnabom

cinnabomのライヴを観に学芸大学のtrayに行った。この場所に行くのははじめてだったのだけれど、それ以前に学芸大学駅で下車したことがあるかどうかの記憶もさだかではない。たぶん1回ぐらい芝居を観に来たことがあると思うのだけれど、普段まず行くことのないエリアだ。住所しかわからなかったので地図サイトであらかじめ調べていたのだけれど、線路沿いのわかりやすい場所で全然問題なかった。

たどりついたときに演奏していたのは、バンド名がわからないのだけれど女性ヴォーカル&男性ギター/ヴォーカルの2人組。最後の曲ではヴォーカルの女性がヴァイオリンも弾いていた。

そして次がcinnabom[ちなぼん]の出番。彼女(正山さん)は学生時代の同級生で、Suger Plantというバンドもやっている。Sugar Plantのライヴは何度も観たことがあるけれど、一人でガットギターの弾き語りをするcinnabomを観るのははじめてだ。前に会ったのは去年のLunaのライヴで、そのときブラジルの音楽にはまっていて、ボサノバのギターを習っていることなどを話していた。わたしはロックなギターしか弾くことができないものだから、ボサノバ=難しそうと思って、いったいどんな感じで弾きこなしているのかなというのも興味しんしんだった。

1曲目は「パッ パッ パパーリアパーリア」みたいな唄い出しのオリジナルのボサノバの曲。見事にはまっていて無理がない感じ。そのあとに出てくる詞は日本語。Sugar Plantは海外での活動も多くていつも英語で唄っていたから、正山さんが日本語で唄っているのが新鮮だった。中ほどで演奏した「海へ」(?)という曲は、遠い海の向こうの国にたいしてのあこがれの気持ちを反映したような情緒豊かな歌詞でとても素敵だった。

カヴァーのポルトガル語の曲はうっとりするような落ち着いた曲。このような曲を唄いこなすようになったんだなぁと感慨深くなるような大人っぽいムードだった(ポルトガル語をよく知らないから余計にそう感じたのかもしれない)。あとSugar Plantの曲も1曲演奏(その曲は英語詞)。それ以降はまたcinnabomとしてのオリジナル曲を演奏していたけれど、あとのほうでやった曲は前半に比べればそんなにボサノバ・テイストが強くなかった気がする。ゆったりと奏でるアルペジオに合わせて唄う曲などあって、すごく素直で伸びやかな声が気持ちよかった。

ギターもすごくがんばっているなぁと思ったけれど、唄声がとても魅力的なライヴだった。あとで、「大人っぽい感じだね」と感想を言ってしまったのだけれど、よくよく考えればお互いとっくに30を過ぎているのにこの感想はないだろう、という気もする。なにはともあれはじめてcinnabomのライヴを観ることができて嬉しかった。

その次がAnyplace Quickie with Whacho。東京中低域などで活動している水谷紹(ヴォーカル/ギター/バリトン・サックス)と、電子楽器(?)のパーカッションを叩くWhachoの2人組。最初に水谷紹が自作の詩、「クーラー」を朗読。客席からはクスクスと笑い声。この詩は友部正人が企画したポエトリー・リーディングのライヴのオムニバス・アルバム「nomedia 2002」に収録されている。そのCDを買ったのは水谷紹目当てではなかったのだけれど、女言葉で語るストーリー仕立ての詩の内容は強烈なインパクトがあり、よく覚えていた。

詩の朗読のあとは、Whachoのパーカッションに合わせてギター/ヴォーカルで数曲。別の女性ヴォーカルのバンドでやっている曲を演奏したりしていたようで、やはり女言葉の曲が多かった。Whachoのパーカッションはとても変わっていて、叩く場所か、それともタッチのニュアンスによって音色が変化するようになっているらしい。楽器というより家電のホットプレートのような外観の台を叩き、タブラの音から金物系の音、シタールみたいな音まで多彩な音色で演奏していた。

あとデヴィッド・ボウイ、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ、ヴァン・ヘイレンのカヴァーをやっていたのだけれど、歌詞は全部独自解釈の日本語に置き換えられていた。特にヴァン・ヘイレンのジャンプは、はじまった瞬間アズテック・カメラがカヴァーしたようなまったりなごみ系かと思いきや、時事ネタを詰め込んだ痛快な詞の内容に大笑い。その後水谷紹はギターをバリトン・サックスに持ち替え、打ち込みを使用した曲を披露。かなりたくさんの曲をやっていて、たっぷり長く聴くことができたけれど、最初から最後までとてもおもしろかった。

最後はレムスイム。エレアコ弾き語りの女性と、パーカッション/コーラスの女性。実はこの2人の組み合わせでライヴをやるのははじめてで、いつもはその弾き語りの女性がベースの人と一緒にやったり、ドラムも入れてバンド編成でやったりしているらしい。曲調はわりとくったくがなくて元気な感じなのだけれど、音数を抑えたアコースティックのサウンドが心地よくて、気負わずに聴くことができた。パーカッションの人は、曲によってコンガ、タンバリン、トライアングルなどいろいろな種類のパーカッションを使い分けていた。決して手数の多さや細かさで圧倒するようなことはないのだけれど、タンバリンの叩きかた一つとっても本格的な雰囲気をただよわせていて、すごく上手だった。パーカッションの人はmuseyというバンドをやっているらしい。

今日はのんびりしたアットホームな雰囲気のライヴで、正山さんともいろいろお話しできて良かった。このお店はふだんはカフェ・ギャラリーらしい。場所柄わたしにはほとんど縁のない場所だと思っていたけれど、友人の後藤さんがやっている荻窪のカフェ・ギャラリー「ひなぎく」の展覧会案内のハガキがいっぱい置いてあった。あと経堂のAppelやロバロバカフェのハガキも。また何かの機会に来ることがありそうな場所かもしれない。

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サンヘドリン

三軒茶屋のグレープフルーツムーンにサンヘドリン(灰野敬二、ナスノミツル、吉田達也)のライヴを観にいった。

たどりついたときは1番目のOptrumの演奏中。Optrumは伊東篤宏(optron)と進揚一郎(ドラム)の2人組。会場内の照明は使わず、暗闇の中で伊東篤宏が操作する蛍光灯(optronと名づけられた装置)が激しく点滅したり、点灯している状態が持続したり。伊東篤宏はこの蛍光灯の発する微細なノイズを増幅して演奏をおこなう。出音は単純なものなのだけれど、それだけにかえって暴力的な様相もみせる。進揚一郎のドラムもそれに拮抗するようにひたすらテンション高く叩きまくる。ところどころでブレイクが入り、場内が暗闇になったかと思うと、またドラムの超高速カウントからいっせいに激しい応酬がはじまる。そのような流れが何度か繰り返されて演奏終了。

2番目ははじめてみるPANIC SMILE。ギター/ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムの4人組。変拍子を多用したかなりひねりのあるロックバンドだった。4拍子の曲でもギターのリフやカッティングの入れかたなどが変わっていたりしてなかなか一筋縄ではいかない凝った曲調。インストの曲もあればヴォーカル入りの曲もあったけれど、ヴォーカルはかなりの部分が叫び。でも熱い雰囲気はあまりなく、むしろニュー・ウェーヴ系のクールさが感じられた。ドラムの人(女性)も1曲メインでヴォーカルをとっていて、さすがに女性ヴォーカルだとがらっと違う雰囲気。でも全体を通していろいろなタイプの曲があり(短くあっけなく終わる曲がわりと多い)、とてもおもしろかった。しかし音が妙に小さかったのがちょっと不満。ライヴハウスというよりはバーっぽい雰囲気のところで、ドラムはPAを通した音より生音がほぼ中心になるから、普通にバランスをとったらこうなるのかもしれない。それともOptrumがかなり爆音だったから小さく聴こえたのか? でも音の大きさで圧倒するのではなく、きっちりとした演奏でちゃんと聴かせることができる上手いバンドだった。

そして最後がサンヘドリン。灰野敬二(ギター/ヴォーカル)、ナスノミツル(ベース),吉田達也(ドラム)の3人組。セッティングを終えたメンバーはいったん楽屋に戻り、あらためて3人で登場。吉田達也がレコーディングのために(?)ステージ脇に設置されていたiBookを操作しようとしたものの苦い顔。「フリーズしました。一分待ってください。」しかし結局回復できなかったようで、あきらめてドラムセットのところに戻った。

最初は灰野敬二、ナスノミツルともアンプを通さない生音のみで演奏。吉田達也はドラムに布をかけて指先ではじくようにしてドラムやシンバルを鋭く鳴らす。小さい音だけれどいきなりテンションの高い演奏で見事なアンサンブル。それが一区切りしたあとはアンプから音を出してセッション。そんなに爆音でもないけれどPANIC SMILEのときよりははるかに大きいヴォリューム。灰野敬二は2台アンプを使っていたけれど、轟音で空間を埋めてしまうようなノイズギターではなく、激しくポジション移動しながらの高速カッティングでわりと輪郭のはっきりした音を鳴らしていた。共演機会の多い吉田達也とナスノミツルのリズム隊のコンビネーションはばっちり。灰野敬二のギターにのまれることなくしっかりと演奏の流れをつくっている。灰野敬二は上モノに徹していて、リズム隊によって形作られる流れに沿ってパターンを変えていっているようにみえた。中ほどでは胡笛やフルートを演奏する場面もあり。主にあとのほうで独特の押し殺したような声で細切れの言葉を放っていた。ナスノミツルが唄う場面も少しあり。

吉田達也と灰野敬二の共演は以前KNEED(ルインズ+灰野敬二)で観たことがあり、そのときはひたすら激しいテンションの高い演奏で圧倒されたけれど、今日のサンヘドリンはもう少し落ち着いた感じだった。一番激しい場面でも3人のそれぞれの音がよく整理された状態で聴こえてきて、演奏の変化していく様子を楽しむにはとても良かった。けっこう灰野敬二がおとなしかったなという印象もあるのだけれど。でも全体的になかなかいいバランスの演奏だったと思う。演奏終了後、ナスノミツルがMCで、「これはサンヘドリンというバンドなので、単発企画の共演というわけではなくてこれからもやっていきます。」というようなことを話していた。

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AFTER IMAGE

Mix media performance「AFTER IMAGE」を観に渋谷の公園通りクラシックスに行った。出演者は向井千惠(胡弓/ダンス 他)、Reiko.A(ヴォイス/動き 他)、丸山亮(映像/笛 他)、平野晶広(ダンス)、万城目純(映像)。この5人が即興のパフォーマンスでコラボレーションするという企画。

公園通りクラシックスに行ったのははじめて。昔ジァンジァンがあったところの駐車場の奥のほうに入り口がある。記憶にあるジァンジァンのスペースよりはだいぶ広くて、同じ建物内だけれど別の場所であるようだ。開演時刻に遅刻してしまったので一番後ろの席に座った。ステージにはグランドピアノとドラムセット、マイクスタンドなどが設置され、左側のついたてのような壁には万華鏡のような映像が投影されている。

向井千惠が白いワンピース、Reiko.Aが黒いワンピース姿で、二人とも髪の長さが同じぐらい。白と黒で対照的だけれど、なんとなく似たような雰囲気を醸し出している。Reiko.Aはレイン・スティックでサーッと音を鳴らしながらゆらゆらとステージ上をさまようように歩き、ときどきマイクに向かってヴォイス・パフォーマンスをおこなう。向井知惠はタンバリンなどを振り回しながらゆっくり映像の前を横切ったり。赤い透明なプラスティックのタンバリンの淵が作る影がキレイ。皮が貼られているタンバリンも映像の前に差し出されると小さいスクリーンのよう。映像に重層性が生まれてちょっとしたインスタレーションのようだ。

平野晶広さんはステージの一番奥のほうでピアノの椅子の上にしゃがみこんで、緊張感を保ちつつかすかな動きを見せる。万城目さんはどこにいるのだろう、と思ってさがすと、客席からはほとんど見えない死角にいて映像をあやつっているようだ(スペースの形状はステージ部分が客席部分よりも幅が広い長方形になっている)。そしてわたしの右斜め前の席では、座ったままで丸山亮がときどき笛を吹いたりしている。

最初のうちはそんな感じでまったりとしていたが、丸山亮の映像が奥の壁に大きく投影され、その映像に向かって丸山亮がギロを鳴らしながらゆっくり歩いていき、またまっすぐ戻ってくると流れが変わった。それまではかなり静かだった場内に控えめながら鐘の音のようなサウンドが鳴り、Reiko.Aが賛美歌のようでもあり、呪術のようでもあるヴォイスをかぶせる。映像は長い通路の奥のほうから人が歩いてくるシーンではじまり、子供の映像などがオーバーラップする。今までほとんど動かなかった平野さんがその映像の前で踊りはじめる。次第に側面の万城目さんが投影する映像のほうに移動していき、それからしばらく激しめの動きで見せ場をつくっていた。丸山亮の映像が終わったあと、万城目さんの映像は鏡なども使って断片がスペース内の複数箇所に投影されていた(前半でもやっていたかもしれない)。万華鏡のような映像が主体なのだけれど、映らないTVみたいなノイズ画面も出たりして常に変わり続けている。平野さんは激しい踊りをやめたあとは客席の後ろのほうを歩き回ったりしている。

向井千惠はピアノの弦を直接はじくプリペアド演奏や、マイクに向かって軽いヴォイスを発しながらリズムカルにマイクスタンドを叩くパフォーマンスなど。そのあたりは大きな音を出すパフォーマーがいないがゆえに効果的だったと思う。向井千惠さんのパフォーマンスはたいてい後半になるほど混沌としていくことが多い気がしていたので、このあたりの演奏がわりと一定のリズムに乗った音楽的なものだったのはちょっと意外だった。最後のほうでは胡弓を演奏。ワイヤレスでアンプから音を出し、演奏しながら客席スペースを一廻り。前のほうからはアンプから出る胡弓の音が聴こえて、後ろからは実際に弦を弓でこする生音が聴こえてくるのがおもしろかった。

そしてパフォーマンスが収束。帰りがけの若尾伊佐子さんにちょっと挨拶。そして、人の流れが落ち着くのを待って万城目さんに今日の映像のからくりについて教えてもらう。一見PC上でエフェクトをかけたりして編集したように見える映像だったのだけれど、実はデジタルな仕組みは一切使わずに、すべてその場で小型カメラで捕らえた映像を赤外線でプロジェクターに飛ばして投影していたのだそうだ。つまり万華鏡のような映像は、実際に万華鏡を動かしてその場で撮影した生の映像とのこと。人の動きで赤外線がさえぎられると、映像にノイズが入ったりまったく映らなくなったりするらしい。後ろのほうで観ていたので(といっても4列ぐらいしかないのだけれど)さすがにそれは気がつかなかった。それから平野さんともお話し。今日は「静かな即興」というのがコンセプトだったのだそうだ。演じている本人としてはなかなか気持ち良い空間だったとのこと。確かに、特に最初のうちは変化が少なかった。でもその分一人一人のパフォーマンスがどれも埋もれることがなく、一挙手一動足が効果的に作用していた。平野さんが激しく踊っていたあたりの展開は、時間にすればそんなに長くないけれど、今日の公演のハイライトになっていてなかなかおいしかったと思う。

本当は挨拶だけ済ませて帰ろうと思っていたのだけれど、もともとのコンセプトの話や最初の決めごとの話を聴いているうちに、ずるずると打ち上げの飲み会にも参加してしまった。打ち上げといっても万城目さんと平野さん、あと鏡などを使って万城目さんの映像投影をサポートしていた水さん、アラキさんとわたしだけだったのだけれど。あっというまに時間が過ぎて、わたしは終電の2本前で無事に帰ることができたのだけれど、同じ沿線在住の平野さんは途中の駅までしか行くことができなかった。なんだかちょっと申しわけない気分。

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Mayo Thompson

吉祥寺スターパインズカフェにメイヨ・トンプソンのライヴを観に行った。

最初に出演したのは、岸野雄一のthemenfromworldwarzero。1曲目は岸野雄一が一人で打ち込みにあわせて唄い、2曲目以降はギターの岡田裕二、ピアノの宮崎貴士が加わった。軽快な振り付きで語るように唄う岸野雄一のスタイルはシャンソン風(?)。でも唄っている内容は、同傾向の音楽の趣味を持つ人でかたまってインターネット上のコミュニケーションを楽しんだりする世の中や、貴重なCDだからと開封もせずにとっておくようなコレクターを鋭く風刺したものなど。とても共感できる内容だったし、その軽妙で要点をうまくついた語り口には大いにうならされた。

2番目は突然段ボール。蔦木俊二のギターは去年のJOJO広重ギター・インプロヴィゼーションやおにんこで観たことがあるが、突然段ボールのライヴを観るのは初めてで、とても楽しみにしていた。蔦木俊二(ギター/ヴォーカル)はスーツ姿で登場。他のメンバーはギター、ベース、ドラム、コーラス2人。コーラスの2人はおにんこのメンバー。振袖姿でかわいかった。突然段ボールはその時代によっていろいろなスタイルで活動してきているみたいだけれど、今回観た限り、想像していたよりもストレートなロック・バンドだった(正直なところもっとキワモノっぽいバンドかと思っていた)。エコーがかったヴォーカルや演奏が焦燥感を煽り立てる。歌詞の言葉遣いや曲調はユーモラスなのだけれど、力いっぱいの演奏に圧倒された。カクカクした振り付けで、時にはわめいたりするようなおにんこの2人のコーラスが曲によくマッチしていておもしろかった。

そしていよいよメイヨ・トンプソンの出番。登場するなりMCでいきなり「ニホンゴハ、ハナセマセーン」。先週のインストア・ライヴのときはジョージ・ハーレイがパーカッションで演奏に加わったけれど、今日はメイヨ・トンプソン一人のアコースティック・ギター弾き語りで6曲ほど演奏した。最初の曲はちょっと調子っぱずれな感じの唄いはじめのメロディが印象的なOyster Thins。それからThe Lesson, To You, Fortuneとソロ・アルバムCorky's Debt To His Fatherの曲が続く。アコースティック・ギターの音はスタンドにセットされたマイクで拾っているので音量小さめだけれど、強弱をつけたストロークのニュアンスが生々しく伝わってくる。横浜ではバンド編成で演奏されたFarewell to Armsはまるで別の曲のよう。The Mistakes of Trotskyは吉祥寺のインストアでも演奏されたけれど、唄メロとギターがユニゾンになるところがおもしろい。

そしてI'm So Blaseの演奏中、途中からトム・ワトソン(ギター)とジョージ・ハーレイ(ドラム)がステージに登場。アコースティック・ギターの小さい音をかき消さないようにそーっと演奏に加わってきた。ちょっとぎこちなかったけれどなかなか素敵な演出。曲が終わるとメイヨ・トンプソンもエレキ・ギターに持ち替えてHurricane Fighter Planeで一気に盛り上がった。続いてA Portrait of V.I. Lenin in the Style of Jackson Pollock, Pt 1。3人になって最初のうちはところどころリズムがあっていない感じもしたけれど、それも次第に挽回。Venus in the Morning, Disciplineと続く。

横浜で演奏されていないWorried Worriedには感激。Dear Betty Babyでは工藤冬里がユーフォニウムで参加。控えめにほぼアルバムどおりのフレーズを吹いていたけれど、美しい旋律で曲に彩りを添えていた。自身の演奏が終わると、曲が終わるか終わらないかのうちに、紹介されるのを拒むかのようにステージを去っていった。Magnificence As Suchの曲後半の盛り上がりは横浜公演のとき同様に感動的。An Opposition Spokes Manは、アルバムSoldier Talkを持っていないからもとはどんな感じの曲なのか知らないのだけれど、この編成での演奏がとてもあっている感じがしてカッコ良い。本編最後のWives in Orbitではブレイクのところでジョージ・ハーレイがお茶目に手を振ったりしていたのがおもしろかった。アンコールはLarking, 4teen, War Sucksの3曲。メイヨ・トンプソンとトム・ワトソンが曲の進行を確認しあうように向かい合ってギターをかきならしている場面などもあり、いつまでもこのまま演奏続けてくれ! と思いながら観ていた。

横浜公演がおこなわれたThumb's Upはレストランみたいなところだったから、それに比べるとスター・パインズ・カフェのほうが断然音に迫力があったと思う。この会場でまたバンド編成の演奏をたっぷり聴くことができて良かった。トム・ワトソンのギターの音色は、メイプル指板のテレキャスなのにすごく伸びやかで太い音。メイヨ・トンプソンのストラトもメイプル指板。二人で激しくカッティングをするときのギターのからみがものすごくスリリングでカッコ良かった。前回の来日のときもトム・ワトソンは参加していたはずなのだけれど、デヴィッド・グラブスが目立っていたのであまり記憶に残ってない。

終演後は一緒にライヴを観ていた梅田さん、saikiさん、大久保さんと一緒に飲み屋へ。大久保さんは松本在住なのだけれど、このライヴを観に東京まで来た。久しぶりに会うことができて嬉しい。すばらしいライヴのあとで話題が尽きず、楽しい時を過ごした。

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工藤冬里+西村卓也+高橋朝

Lou's Pale Horseのライヴからはしごして工藤冬里+西村卓也+高橋朝を観に新宿のシアターPOOへ。開演時刻の9時には十分余裕があった。ここに来るのはだいぶ昔の足立智美のライヴ以来。今日の出演者3人はみな元シェシズのメンバー。といっても工藤冬里、高橋朝が参加していた頃のシェシズのライヴは観たことがない。

最初はフリー・インプロヴィゼーション。お互いに何か合わせるというのでもなく、あえて相反するわけでもなく、3人ともまったくそれぞれのことを弾いているようにみえるのだけれど、それでいて全部がまとまった一つのサウンドとして聴こえてくる。しかもノイズとか抽象的な音を出しているわけではない。工藤冬里のオルガンも西村卓也のベースも、コードとか音程とかいったものを超えた次元で弾いているかのようだ。高橋朝のドラムも決まった拍子にとらわれることがない。意図的なブレイクでみながそれに合わせるというようなこともない。ブラシを使った控えめな音だけれど、かなり激しい調子で音数多く叩きまくっていた。これはシェシズのライヴで観てきたインプロヴィゼーションにかなり近い雰囲気。向井千惠がいなくてシェシズもなにもないし、今日はそれを期待して観に来たわけではなかったのだけれど。これが20分ぐらい。

その後は「あれやりましょうか」などと相談しながら、あらかじめ打ち合わせしていたと思われる曲(?)などを演奏。高橋朝はドラム以外にヴォイス・パフォーマンスも披露し、子供のおもちゃみたいな鍵盤でチープな音を鳴らしたりもする。西村卓也も少し唄っていた。何曲か演奏した後に一番前の席に座っていた光束夜の金子寿得がステージに呼ばれ、カンペをみながらヴォーカルをとる。なんとシェシズの「左眼の虹」。唄のキーもあわないだろうし、ほとんど抑揚もなく、つたないヴォーカルだったけれど、シェシズのカヴァーとしてはそれがとても似つかわしい感じがした。曲が終わると、そこまでずっと張り詰めて静かだった客席から拍手が沸き起こる。それまでのところでも、曲の切れ目のたびに拍手したほうがよいものかどうか迷いながら聴いていたのだけれど。

ここで「10分休憩します」という高橋朝のMCが入った。ここまでで約一時間。最初もそうだったけれど、休憩後の演奏もちょっとした音出しの延長のような感じでいつのまにか演奏が始まった。高橋朝は子供のおもちゃのようなプラスティック製のゴルフ・クラブを持って客席へ。「えいーっ」と掛け声をあげながら、ステージに向かってボールを打っている。シアターPOOはテーブル席と後方のカウンター席しかない飲み屋のようなスペースなのだけれど、一応ステージのところはちょっと段差があって、その段差に跳ね返ってなかなかボールはステージ上には上がらない。狭いところで思い切りクラブを振り回すものだから、勢いあまって客席に倒れこんでしまったりして大変。向井千惠さんのパフォーマンスなど見慣れている立場からすれば別に驚くようなものでもなかったけれど、今日のライヴでこういうことになるのは予想していなかった。

高橋朝はその後ステージに戻ってドラムを演奏。あと2~3曲くらい演奏してライヴは終了。最後の曲では工藤冬里がヴォーカルをとった。あっけなく終わってしまったけれど、全部あわせれば一時間超。演奏もすばらしかったし、なかなか観られそうにない顔合わせだし、本当に今日のライヴを観に来ることができてよかった。

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LOU'S PALE HORSE

LOU'S PALE HORSEを観に渋谷PLUGに行った。このライヴハウスに来たのははじめて。LOU'S PALE HORSEの出番は1番目。開演時間を少し過ぎてメンバー4人がステージに現れた。演奏前にいきなりLouさんがギターの弦を切ってしまう。弦をはりかえて、ライヴがはじまった。

一曲目は「リカ」。久しぶりに聴くLouさんのヴォーカル。伸びやかだけれどちょっと舌ったらずな声が心にひっかかってくる。アコースティック・ギターを弾くLouさんを観るのは3回目。「灰色プリン」では鍵盤ハーモニカも披露。「simple song」はちょっとファンキーなはじまりだった。こういうヴァージョンで聴いたのははじめてかもしれない。

最後のほうはアコースティック・ギターは置いてキーボードを弾きながら唄っていた。はじめてLouさんを観た頃はずっとそうだったのだけれど、最近はギターをがんばっているみたい。「夜が更けてビールがこぼれた」はすごく好きな曲。このようなおもしろいタイトルはLouさんならではと思うのだけれど、やりきれないような日常的な情景がこんな歌詞になるとは、うーむとうならされる。曲の背景については知らないけれど、ものすごく共感できてしまう。しかもユーモラスだし。決してウケをねらったようなタイトルというわけではなくて(たぶん)、とても素直でまったく無理がない感じの歌詞。

最後の曲は「両方の手」。この曲の前のMCで、今日のライヴでギターのウエさんが脱退してしまうことが発表される。ウエさんのギター、とても素敵だったので残念。ウエさんは今度、元ルースターズの井上富雄のバンドでギターを弾くのだそうだ。「両方の手」はウエさんが作った曲にLouさんが歌詞をつけたとのこと。ライヴで一番最後に演奏されることも多い名曲。この曲でLouさんが弾くピアノを聴いていると、ジョン・レノンのImagineを思い出してしまう。

今日のライヴは、わりとたんたんとして落ち着いた雰囲気のライヴだった。ベースの松田さんはいつもより動き回っていない気がしたけれど、ステージが広めで動きが小さく見えるのかもしれない。ウエさんも最後だからといって特に前面に出ることもなく、いつもどおりの職人技で絶妙なプレイを聴かせてくれた。これぐらいの感じで、むしろバランスが良かったかもしれない。キーボードを弾くLouさんも素敵だけれど、ギターを弾くLouさんのほうがバンドのフロントらしいどうどうとした感じがあって、落ち着いてカッコよくみえる。たまに落ち着きがなくてMCでボケをかますLouさんも素敵なんだけれど。そういえば今日はMCでも余計な話というか、なごんでしまうようなおもしろい話などはいっさいなかった。4人編成での最後のライヴ、いい感じに力が抜けていて、バランス良くまとまったすばらしい演奏だった。今後は3人で活動を続けていくとのこと。

演奏後、片付け中の松田さんに挨拶。「今日は別のライヴをはしごするので、すぐ帰るね」と話しつつ、このライヴハウスは客が建物に入る入り口のあたりに楽屋があるようで、地上に上がるまで一緒だった。そういやLou's Pale Horseのライヴを観るのは去年のフジロック以来なのに、フジロックで撮った写真を持ってくるのを忘れてしまった。ベースの松田さんとドラムの久保田さんは、今度PANTAのバックで演奏するのだけれど、それがまた自分のライヴと重なってしまっているのが残念。

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鈴木翁二

鈴木翁二のアルバム「【銀盤 まばたきブックⅠ】未明-よあけ-の歌」発売記念ライヴを観に吉祥寺のMANDA-LA2に行った。行ってみてはじめて知ったことなのだけれど、このライヴは鈴木翁二(vo/g)のレコ発だけではなく、その他にいとうたかお(vo/g)、ウタタネ(女性5人のユニット)が出演し、三組とも新譜の発売記念なのだそうだ。サポート・ミュージシャンとして渡辺勝(g/pf)、関島岳郎(tuba/tp/recorder他)、中尾勘二(ds)、船戸博史(b)、Honzi(vln)、ウエッコ(g)、山田吉育(harp)が参加。Honziはウタタネには不参加だったが、それ以外みなずっとステージに出ずっぱり。この大所帯で名古屋、京都もツアーするらしい。

会場にたどりついたときは一番目のウタタネの演奏中だった。古着っぽいワンピースを来た女性5人がステージの前に並び、ゆらゆらと揺れながら物憂げな調子で唄っている。合唱したり、ところどころソロが入ったり。一言で言ってしまえば「少女」っぽい雰囲気。みな少女というような年齢ではなさそうだけれども。童謡とか昭和歌謡を思わせる曲調は、あからさまに暗いわけではないけれど、翳りがあってずるずると引き込まれるような魅力を放っている。それなりに元気な曲もあることはあるのだけれど、でも決してパワフルにろうろうと唄いあげるようなタイプのものではない。それぞれリコーダーやウクレレ、アコースティック・ギターなどの手持ちの楽器も演奏するがそれはごく最低限。その一方で、サポートのミュージシャン達(ウタタネのアルバムの参加メンバーとほぼ同じだったらしい)は時にはアヴァンギャルドな演奏も聴かせる。関島岳郎の口琴がとてもいいアクセントになっていた。途中からしか観ることができなかったけれど、非常に良かった。

次がいとうたかお。オーソドックスなフォーク・シンガー・ソングライターだけれど、声もギターの音も透明感があって、(極端な言葉遣いだけれど)土着よりはロマンチックという感じ。唄も演奏も熟練していたが、それでいてみずみずしい美しさがある。Honziのヴァイオリンと船戸博史のコントラバスによる流麗で時にはフリーキーな演奏がカッコいい。ウタタネのときはサポート・ミュージシャンとのコンビネーションがばっちりで良かったのだけれども、いとうたかおのときはむしろ曲によってフリー・セッション風のスリリングな展開を聴くことができたのがおもしろかった。

いとうたかおの演奏終了後、場内で高遠さんを発見。前のほうに座っていて途中で帰っていった人たちがいたので、二人してその席に移動した。さっきまで高遠さんの隣にいた人が8ミリカメラを持っていたからてっきり高遠さんのお友達かと思ったら、たまたま隣に座ったはじめて会った人なのだそうだ。NY在住で日本には一時帰国中らしい。そもそも世の中8ミリで映画を作っている人なんてずいぶん少なくなっているというのに、このようなライヴハウスでたまたま隣合わせとはびっくりしてしまう。米国の状況はまた日本とは違っているだろうけれど。

今度4月10日に「第五回 CINEVIS CINEMA」で高遠さんが撮ったびん博士こと庄司太一さんのプロモーション・フィルムが上映されるそうだ。びん博士のことは以前から高遠さんに聞いているし、一月の上映会のときにもびん博士主演の作品を観ている。並みじゃない量のびんをコレクションしていて、かつブルースを唄う人であるらしい。その前日には山田勇男さんと山崎幹夫さんの新作短編も上映されるそうなのだけれど、なんと自分のライヴの日と重なっている。ものすごく残念。あと高遠さんとは「ウタタネすごく良かったね」という話で盛り上がる。

そして最後に出演したのが鈴木翁二。他の2組は今日はじめて観たのだけれど、鈴木翁二は去年、船戸博史のソロアルバム発売記念ライヴのときにゲストで出演したのを観ている。今日のサポート・ミュージシャンのうち、船戸博史、関島岳郎、中尾勘二はそのときのライヴでも演奏していたメンバー。

ステージに上がるなり、「わたしのギターどこにありますかね」といった調子で周りの人をあたふたさせる。去年観たときもそう思ったけれど、かなりとぼけた調子で観る人を不安にさせるたたずまい。しかし、いったん唄いはじめると全然違う。凛々しい唄声にくぎづけにさせられてしまうのだ。しかし唄が終わるとまたとぼけた調子に戻ってしまう。MCもなぜかその次の次に演奏する曲のことを話していたり、ギターのチューニングがあっていなくて直してもらっていたり、キーのあうハーモニカがみつからないからキーを変えてくれとその場でみんなに指示したり。一緒に演奏している人たちはもっと不安に違いない。翁二さん北海道在住だから、事前に一緒にリハーサルなどもしていなさそう(今日の出演者は他にも東京/名古屋/京都/沖縄いろいろなところから集まっている)。バッキングは渡辺勝のピアノと船戸博史のコントラバス、中尾勘二のドラムが中心で、あとの人たちはちょろっと上モノを添える程度の演奏しかしていなかった。今回Honziが参加するので特に楽しみにしていたけれど、鈴木翁二のときに関して言えば、あまりたいしたことを弾いていなくて残念。いとうたかおのときも他で観たときに比べるとそんなに弾きまくってはいなかった。

そんなわけで、去年よりも豪華なメンバーで鈴木翁二を観られる良い機会というあてはややはずれてしまったけれど、そもそも鈴木翁二の唄/ギター/ハーモニカはそれだけで十分で、伴奏はそんなに必要ではないのだという気がした。とぼけた調子に見えてもものすごく真剣さが伝わってくるし、どこか手の届かないような高みに達しているような崇高さが感じられる。

終演後、高遠さんが翁二さんに挨拶しようとしていたから人の流れが落ち着くのを待っていたら、今度はイラストレーターの吉田稔美さんに遭遇。吉田さんの描くイラストは本当に素敵で何度か展覧会にも行っているのだけれど、それだけでなくGhostのライヴでも遭遇未遂(目撃されていたのだけれどそのときは話をしなかった)している。鈴木翁二さんのライヴで会うのはGhostほどは意外でもないけれど、でもびっくりした。久しぶりにお会いできてとても嬉しかった。

高遠さんを吉田さんに紹介したら、なんと高遠さんは吉田さんのイラストや絵本が大好きで非常にあこがれていたとのこと。そして、吉田さんは高遠さんの映画『星の葬』を観たことがあるという。その上、吉田さんと一緒にいた間さんは、高遠さんが映画で撮影しているビン博士のCDのジャケットのデザインをされたのだそうだ。あともう一人、吉田さんと一緒にいたすずめが、ちゅんこさんとは、20言も話さないうちになんと倍音S、The Red Krayolaといった共通の音楽の話題が出る始末。こんなに世の中の狭さを実感する日はそうそうないと思う。夜のほんの数時間のことだけど、なんだかすごい一日だった。

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The Red Krayola

横浜Thumb's UpにThe Red Krayolaのライヴを観にいった。最初に出演したのがTHERMO。生のドラムを叩くドラムの人と、リズムマシン他機材担当の2人組。機材担当の人はリズムマシンをリアルタイムに操作して音を出し、時には左側に置いたフロアタムでも軽くリムショットで叩くなど、かなり変わったこともしていた。リズムそのものよりは極端に加工されたサウンドの感触が印象に残っている。

次はテニスコーツ。さや(vo/key/g)、植野隆司(g/sax/key)のほか、ギター、パーカッション&コーラスの4人で演奏。以前観たときは唄はほとんどなくてドローン風の即興演奏をかなり長くやっていたと思うのだけれど、今回はほとんど唄モノで短めの曲をたくさん演奏していた。

そしてThe Red Krayola。トム・ワトソン(g)が最初に登場しセッティングをはじめる。まもなくメイヨ・トンプソン(g/vo)、そしてジョージ・ハーレイ(ds)が生ビールのジョッキを2杯持ってステージにあがった。1曲目がなんと1stアルバムのHurricane Fighter Plane。ソリッドな演奏でアルバムの混沌とした感じとは全然違うけれどカッコいい。そしてThe Mistakes of Trotsky、A Portrait of V.I. Lenin in the Style of Jackson Pollock, Pt 1と続く。今回のメンバーが参加しているアルバムが中心の選曲になるのかと思いきやそうでもないみたい。

Larkingでのトム・ワトソンの少し歪ませたギターのリフ、メイヨ・トンプソンのシャウトも交えたヴォーカルはアルバムHazelのヴァージョンからはとても想像がつかないアレンジ。Wives in Orbitではジョージ・ハーレイのドラムソロもフィーチャーし、フリーキーにはじけまくる。そんな中にフォーキーなDear Betty Babyなど、メイヨ・トンプソンのソロアルバムの曲も違和感なくまざる。Magnificene as Suchは静かにはじまったけれど、後奏では一気に盛り上がった。

Pessimistyはトム・ワトソンがワウペダルで妖しいサウンドを鳴らし、Farewell to Armsは二人のギターの絡みがキレイ。そしてAn Old Man's Bluesは楽しいノリノリの雰囲気。それに続くI'm So Blaseがとても美しい。本編最後は混沌とした雰囲気の4teen。メイヨ・トンプソンのちょっとキレたようなヘンなヴォーカルが楽しい。

アンコールの最初はメイヨ・トンプソン一人でErgastulumをエレキギターソロ弾き語り。曲が終わるや否やそのまま他のメンバーも加わってWar Sucks。テンション高い演奏が繰り広げられる。そのあと、観客の声援にこたえてもう一度出てきてアンコールをやってくれた。

全部で1時間10分くらいだけれど、たくさん曲を聴くことができて良かった。前回の来日のときは、むちゃくちゃな感じでセッションする中、女性コーラスの人が歩き回りながら朗読のようなヴォイス・パフォーマンスを繰り広げていたり、デヴィッド・グラブスがやけにはしゃぎまわっていたりした印象が残っているけれど、今回はシンプルにロックしていて素直に演奏が楽しめるようなライヴだった。メイヨ・トンプソンがすばらしいのはもちろん、トム・ワトソンの弾くギターもすごく良い。確か家にトム・ワトソンのソロCDもあったはずなんだけれど、どんな内容だったか思い出せない。

翌日は吉祥寺タワーレコードでインストア・ライヴ。開始時間5分前ぐらいに行ったら、もうすでに人がいっぱいであふれている。しかし「前のほうの人は座って観てください」というアナウンスがあり、後ろのほうからでも良く見ることができた。メイヨ・トンプソンはなんと黒いスーツ姿で登場。メイヨ・トンプソンのアコースティック・ギターの弾き語りに軽くジョージ・ハーレイが小ぶりのジェンベでリズムを添えて、15分ぐらい5曲演奏した。

演奏終了後は、なんとメイヨ・トンプソン自身の申し出により実現したという質疑応答コーナー。いったんその場を立ち去ろうとするのを担当者が制したときの、「ああそうだったね」という感じのリアクションがとても気さくな様子。しかも、各質問に対する答えは意外なぐらいに謙虚な人柄が偲ばれるものだった。プライマル・スクリームやレインコーツのアルバムのプロデュースに関する質問の答えなどは自分の手腕がどうというよりもそれぞれのバンドの立場に立って語っていたような感じ。「プロデュースしてみたいバンドはいますか」という質問に対して、「彼らが耳を貸すならばローリング・ストーンズを助けてあげたい」と答えていたのが印象的。「昔どんな音楽に影響を受けましたか?」という質問に対しては、ジョン・フェイヒーを第一に挙げた以外は、マイルス・デイヴィスやジミ・ヘンドリックス、オーネット・コールマンなどわりとオーソドックスな名前を挙げていた。でも好きな日本のミュージシャンとして挙げていたのは大友良英、メルトバナナ、暴力温泉芸者、メルツバウ、ボ・アダムズといった海外で評価の高いアンダーグラウンドのミュージシャンたち。日本にはユニークな良いミュージシャンがたくさんいるねとか、日本食が好きだとか、どうやら日本のことはかなり好きみたい。終始上機嫌な様子で、どんな質問にも詳しく答えていて、とても充実した内容だった。一番最後の質問の答えで、「60年代前半まではジャケットというのはレコード会社が勝手に決めるものだったけれど、1stアルバムを出したのはちょうど初めてミュージシャン自身がジャケットのデザインを決めるようになった頃で、Parable of Arable Landのジャケットは、当時こういうのがサイケデリックだろうと思ってメンバーみんなで描いた。」という話はとても興味深かった。

30分超の質疑応答コーナーのあとはサイン会。お店の中にぐるーっと長い列ができて、わたしはおそらく20~30人目ぐらいのところにいたのだけれど、なかなか列が進まない。だいぶたってから、サインをもらって帰っていくと思しき梅田さんを発見。慌てて列を抜けて声をかけに行ったら、以前一度お会いしたことがあるsaikiさんも。二人で飲みに行く様子だったので、あとで合流する約束をしてまた列の最後尾へ。それから30-40分ぐらい(?)相当辛抱強く待ったけれど、去年発売されたベスト盤が店内に流れていたのがちょっと救い。自分の番が来たときはすごく緊張した。きのうの横浜のライヴの感想や前回来日したときも観にいきましたというような話をして、Finger PaintingのCDにサインをいただいた。よく読めない部分もあるのだけれど、ジャケットいっぱいにいろいろと書いてくださった。他の人は肩を組んで一緒に写真を撮ってもらっていたり、本当に気さくに一人一人丁寧に接している様子が素敵だった。

そのあと梅田さん、saikiさんともメイヨ・トンプソンの素敵な人柄の話で盛り上がりまくり。お二人とはまた来週のソロ公演でお会いできるので楽しみだ。

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マルセル・デュシャンと20世紀美術

横浜美術館に「マルセル・デュシャンと20世紀美術」を観にいった。マルセル・デュシャンの作品と、それをモティーフにして作られた後世の作家による作品が同じ部屋に展示されている。後世の作家による作品が半数以上を占めているのだけれど、それらの作品に関していえば、元になったデュシャンの作品と一緒に観ることができるわけだからとてもわかりやすい。でも「現代美術のお勉強」的なこの生真面目さは、個人的にはちょっとなじめない感じがしなくもない。デュシャンの遊び心が最大限に生きる展示ではないなというのが正直なところ。でもこれだけたくさんのデュシャンの作品を一度に観ることができたのははじめてなので、とても嬉しかった。

展示の目玉は「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス、東京ヴァージョン)」。大きなガラスの板に水車や濾過器、チョコレート磨砕器が描かれている。展示されているのはデュシャンが「グリーン・ボックス」として出版した大ガラスのコンセプトをもとにして瀧口修造らが1980年に製作されたレプリカ。「グリーン・ボックス」は同じ展示室の隅にガラスケースの中に入れられて展示されていたけれど、むしろこっちの中身をもっと良く観てみたい。

一番興味があったのはローズ・セラヴィのセクション。デュシャンがRrose Selavyと名乗って女性に扮装しているマン・レイによる写真は去年の埼玉県立近代美術館のマン・レイ展にも3点ほど展示されていたけれど、この展覧会では展示室一室がまるごとローズ・セラヴィ関連の作品なのだ。といってもデュシャンの手による作品は「ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない」という鳥かごの作品の他1、2点だけ。美術館側がとりつけている作品タイトルのキャプションはRrose Selavyだけれど、作品の中にあるテキストではRが重なっていなくてRose Selavy。Rが重なっている記述でおなじみだと思っていたのだけれどこれはどこから出てきたのだろう? ちょっと調べたらすぐにわかるのかもしれないけれど。この展示室にはマン・レイによるRrose Selavyのポートレートはもちろん、工藤哲巳の「無限の糸の中のマルセル・デュシャン プログラムされた未来と記憶された記憶の間での瞑想」などが一緒に展示されていた。

デュシャン以外の作家の作品で特に興味深かったのは、ナム・ジュン・パイクの映像作品「Mars by Mars」と藤本由紀夫の「The Creative Act」。前者はデュシャン本人が出てくる場面があるし、後者はデュシャンの講演かなにかの音声が使われている。やはりデュシャン本人に少しでも近づきたいような欲求で作品を観ているとそうなるかなぁといったところ。

あと印象に残っているのは、最後のほうに展示されていたデュシャンによる花嫁のドローイング。絵画の筆をとっくに折っていたデュシャンが晩年になってこのようなドローイングを残したのは、そもそも作品というつもりがあってのことだったのかどうかわからないけれど、なんとなく心に沁みるものがあった。会場出口ではこのドローイングをデザインしたTシャツが売っていたけれど、ちょっとエッチな絵柄で着る機会に困りそうなうえに高い(5,000円 まぁミュージアム・グッズとしては普通の値段かな?)ので購入するのは断念。

アートギャラリーのほうでは「冨岡雅寛 カオスモスシリーズ」という展示がおこなわれていた。磁石が使われていて不思議な動きをする振り子のような作品や、水の波紋の複雑な模様を観たり、それに合わせて発振するサウンドを聞いたりする対話型の作品が展示されている。小中学生の科学の実験ぽい雰囲気で、係りの人が親切に説明をしてくださるのをちょっと照れくさく思いつつも、単純な仕組みが意外な効果を生み出す作品の数々はなかなか楽しめるものだった。特にサウンドを使った作品はなかなかカッコいい。会期中、入間川正美のライヴなどもあったらしい。

そのあとBankART1929Yokohamaと今年1月にオープンしたばかりのBankART Studio NYKへ。そこでおこなわれている展覧会の内容に興味があったというよりは、未だ行ったことないちょっと話題のアートスペースだからせっかく横浜に来たついでに行ってみたいと思ったのだ。最初にBankART1929Yokohamaにたどりついたとき、すでに閉館の7時まで一時間をきっている状態だったのだが、チケットは徒歩5分ほど離れた両会場共通になっている。無理に強行して両方一通り観たけれど、ほとんど作品の記憶は残っていない。「食と現代美術 Vol.1」「Evolution Cafe」「Reading Room」などの企画がおこなわれていたのだが、特にBankART Studio NYKのほうはかなり広いスペースで、こんな駆け足ではまるでわけわからない状態。でも、とりあえずどんな感じの場所なのか行ってみることができて満足。どちらも古い建物をリノベーションしていて魅力的なスペースだ。興味のあるアーティストが参加している企画などあるときにまた行ってみようと思う。

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ポチャカイテ・マルコ

吉祥寺のSilver Elephantにポチャカイテ・マルコのライヴを観にいった。しかし、いろいろ用事があって大遅刻。しかもライヴはなんと6時半スタートだったらしい(2バンドしか出演しないのに早すぎ!)。先に出演したFantasmagoriaもちょっとぐらいは観られるかなと期待して入ったところ、もうポチャカイテ・マルコの演奏がはじまっていた。後にポチャカイテ・マルコのウェブサイトの掲示板に発表されていたセットリストによると、なんと最初3曲も見逃してしまっている。ちょっとショック。でも2度のアンコールも含め10曲ぐらいは観ることができたので、まずまず堪能できた。

前回ポチャカイテ・マルコを観た江古田Buddyのときは、荻野和夫がステージの外側に体を向けてグランドピアノを弾いていたのだけれど(ピアノの上にキーボードも置いて弾いていた)、今回は2台のキーボードをスタンドにセットして演奏していた。生のグランドピアノの演奏というのはゴージャスな感じで素敵なのだけれど、今日のセッティングのほうが全体の音のバランスも良く聴こえるし、演奏している姿も見やすい。壷井彰久(violin)、桑原重和(bass)、荻野和夫(key、笛、今回はなんと口琴も披露)のフロント3人とも、見るからに気合のこもった熱演で、曲間では疲れた様子でふぅっと息をついたりする場面も。立岩潤三のドラムもとてもパワフル。民族音楽に造詣が深く、リズムにもその特徴を大きく取り入れているにもかかわらず、むしろロックっぽいダイナミックさを感じさせる演奏だった。その一方で「世界中で200曲くらいはあるような良くあるパターン」だとか「ポチャカイテ・マルコの曲で唯一Major 7thのコードが使われている曲です」というような醒めた曲紹介に妙に受けてしまったり。

ウード奏者やアラブ・パーカッション奏者をゲストを招いて民族音楽色が強かった去年の江古田Buddyのライヴも非常におもしろかったけれど、今日みたいに4人だけで力いっぱいの演奏をしているポチャカイテ・マルコもやっぱりいいなぁと思った。次のライヴはおしゃれジプシィと共演らしい。おしゃれ~とバンド名につけてしまうセンスがなんともわたしには敷居が高いのだけれど、CD屋のワールド・ミュージック「ヨーロッパその他」のコーナーに置かれているのを見かけたことがあって、ちょっと気になる存在だったのだ。今度はまた民族音楽色が強くなる予感がするけれど、それはそれでまた楽しみ。

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長沢哲 Solo Improvisation

長沢哲 Solo Improvisation「凪に眠る 波に遊ぶ vol.6」を観に荻窪のひなぎくに行った。長沢哲さん(パーカッション)のソロ公演を観るのは3度目。開演時刻にだいぶ遅れてたどりついたのだが、幸いライヴはまだはじまっていなかった。今日のドラムセットには今までのライヴでたくさん使われていたロートタム(回すとピッチが変えられるようになっている胴のないドラム)がない。木製の胴のあるタムとバスドラ(普通ロックバンドが使うようなものよりも径が小さい)、そして今までも使っていたシンバル、メタルパーカッション、鉄琴、ウィンドチャイムのセット。いつもは鉄琴が哲さんの右真横ぐらいにあったのだけれど、今日のセットでは斜め前ぐらいに置かれている。哲さんが眼鏡をかけているのもいつもと違う。

それからまもなくして演奏開始。最初は鉄琴の演奏からはじまった。単音のシンプルなフレーズの中に時折ウィンドチャイムの音を交えていく。清涼感のあるサウンドがしばらく続く。やがてそれが一段落すると、低い音のシンバルを響かせ、バスドラも使った手数多めのパターンに移行。マレットの柔らかい音でそんなに強く鳴らすわけではないけれど、緩急のつけかたがわかりやすくて自然にノれるようなリズムだった。そのパターンの中に鉄琴のサウンドも混ぜているのが目新しい。手数多めのパターン、静かでミニマルなパターンを何度か繰り返して前半終了。

今日はカウンター席に座っていたので、休憩中はひなぎく店主の後藤さんと最近観たライヴなどの話で盛り上がった。後藤さんは先日こまっちゃクレズマー+原マスミのライヴに行ったのだそうだ。わたしも行きたかったのだけれど、その日は『美式天然』の上映と重なっていたのでしかたがない。このライヴが好評だったようで、またこまっちゃクレズマー+原マスミの組み合わせでやるかもしれないらしい。次回は絶対観に行きたい。あと後藤さんからはパスカルズのことや、先日ひなぎくのギャラリーで展示をした人が割礼ファンだった話などを聞き、わたしは『くだんの件』を観にいった話やシカラムータのことなど話した。

そしてライヴの後半。最初はブラシを使ったパターン。ふんだんに間をとったかと思うと勢いよくタムや小ぶりのシンバルを叩く。それが次第に一定のリズムの輪郭を成していく。途中からまたマレットに持ち替えて鉄琴やメタルパーカッションの音をまぜながら複雑なパターンに。左足のペダルで金物の板に鈴をつけたパーカッションを静かに響かせながら、両手でいろいろな種類のパーカッションを駆使してダイナミックな旋律を生み出していく。

終演後は暁さんとお話し。そういえば今年会うのがはじめてであることに気がつき、今さらあけましておめでとうを言う。あとは昨年末の引っ越し話や、最近製本を習っている話などいろいろ聞かせてもらった。哲さん、暁さんのお友達のデザイナー、小熊さんには最近「コドモゴハン1年レシピ」という本の企画・製作にたずさわった話を聞く。ちょうど後藤さんがその本を持っていた。料理をつくっている子供たちの写真がカワイイ。カラーと2色刷りのページ割りや、表紙カヴァーも原紙から3枚とることができるようにサイズを工夫した話などが興味深かった。

お客さんがほとんどいなくなってきて、機材の片付けをはじめた哲さんにいろいろなパーカッションの用具の名前などを尋ね、懇切丁寧に教えてもらう。最初セットを見てすぐ気がついたとおり、今日はロートタムではなくて胴のあるドラムを使うことと、鉄琴を斜め前に置いたことがポイントだったそうだ。胴のあるドラムの音はやはり響きが良いと言う。また鉄琴を斜め前に置いたのは、やはりパターンの中に鉄琴を混ぜようと思ってのことだそうだ。しかし鉄琴用の先の固いキーボードマレットでドラムを叩くと音がいまいちで、先の柔らかいティンパニーマレットで鉄琴を叩くとあまり鳴らないという問題があるらしい。そのため、今日は先を糸を巻いてくるんだようなキーボードマレットを多く利用していた。後半で最初に使ったブラシだと思っていたスティックは、実はもともとブラシではなくて、竹ヒゴのようなものを束ねたスティックを使い古して、先が細かく割れて広がったものなのだそうだ。確かに、ブラシっぽい使いかたよりも、パシャンと叩いたときの強い音が印象的だった。ちょっと目からウロコ。メタル・パーカッションの名前も教えてもらったけれど忘れてしまった(もうライヴから一週間以上経ってしまい演奏内容の記述もだいぶ曖昧)。ほとんど片付けを邪魔している状態だったけれどたくさんお話しできてよかった。気がついたら12時をとっくに過ぎている。慌てて荻窪駅まで早歩きして終電で帰った。

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