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真夏のキノ・キュッヘ

国立の飲み屋、キノ・キュッヘ(木乃久兵衛)でおこなわれた個人映像の上映会に行った。事前の告知にはなかった作品もあったのでこれであっているかどうかわからないけれど、上映作品はだいたい以下のとおり。

<個人映像プログラムA>
山崎幹夫『富士山へ飛ぶ夢を見るまで』8mm/25分/2005
水由章『瞬息8』
片山薫『新作』8mm/5分/2005
黒川芳朱『鏡水晶都市』16mm/5分/2005
末岡一郎『ドイツのひと夏』16mm/6分/2005
谷岡昭宏『salad film』16mm/3分/2005
高遠瑛『星の葬 -ホシノマツリ-』8mm→DV/25分/2004
寺嶋真里『エリスの涙』8mm→DV/15分・2004
万城目純『新作』8mm/10分/2005
森下明彦『灼熱の幻燈』幻燈/10分/2005

<オムニバス・ビデオ「ウォーター・マンダラ」>
乙部聖子、川口肇、中沢あき、山崎幹夫、高遠瑛、末岡一郎、森下明彦、万城目純、猪谷美夏、佐々木健、他

<個人映像プログラムB>
特別追悼上映:一瀬晴美作品『雨ふり』DVD/5分15秒/1993
小池照男『生態系-14-留』miniDV/13分/2004
桜井篤史+青井克己『囮の愛 瞑い悟り』miniDV/10分/2005
ヤン・ファベーク『On a Wednesday Night in Tokyo』miniDV/5.35分/2004
袴田浩之『背徳の音』miniDV/20分/2005
小口容子『ワタシの王子』Hi8/20分/2005
吉野哲平『The Wise-Woman's Prophecy』miniDV/6.5分/2005
真下大輔『echo of monochrome』miniDV/5分/2005
浅野優子『水母』miniDV/1分/2005
今泉晶彬『5カット映像作品集』miniDV/17分/2005
相内啓司『Aphrodita・金星』miniDV/10分/2005
佐々木健『sound of cooking』パフォーマンス10分/2005

こんなに上映作品が多いと観るほうも大変。それなりに気合を入れてのぞむつもりだったのだけれど、あいにく当日はひどい頭痛。でもせっかく久しぶりにキノ・キュッヘに行くのだからこの機会を逃したくない。観たことのない作品に出会うことはもちろんのことだけれど、佐々木マスターにお会いできるのも楽しみなのだ。

とても暑い日で、駅から徒歩15分くらいの道のりが遠かった。たどりついたときにはほっとしたけれど、頭痛が治る気配はなし。それでもAプロはそこそこしっかりした意識を保ちつつ観ることができた。ダンス白州で撮影して自家現像したという片山薫さんの映像は、ご自身による現地の様子の解説つきで上映。白州では片山さん、水由さん、末岡さん、黒川さんが映像ワークショップをおこなっているそうだ。末岡一郎さんのドイツで撮影された古い映像を発掘して構成した作品も素敵。寺嶋真里さんの作品、ご本人は「夫のドイツ出張についていってさくっと撮りました」というようなことをおっしゃっていたけれど、半ば偏執狂的とも言える美意識に圧倒される。一番インパクトがあったのは森下明彦による幻燈の上映。幻燈の装置自体はもしかしたら東京都写真美術館あたりで見たことがあったかもしれないけれど、このような上映会で幻燈を観るのははじめて。とても珍しい貴重な機会だった。

オムニバス・ビデオ「ウォーター・マンダラ」は、多数の作家が水にまつわる5分程度のヴィデオ作品をつなげて上映。人によって、撮影そのものはインスタントだけれどアイディアのインパクトで勝負というものもあれば、短い上映時間のなかで凝りまくって作家性を強く押し出ているものもある。全体的にはかなり訳わからない。もちろんみんな別々に作っているわけだから、あえてお互いに擦り寄ることなくそれぞれが持ち味を発揮するに越したことはない。その分観る側にとって無理やりの集中力を要する作品である。とりあえず山崎さん、佐々木さんの作品を観ることができて良かったと思う。とりあえずなんていう言いかたは失礼なのだけれど。

頭痛は治まらないし、あまりにも玉石混淆な作品鑑賞を続けてもうへとへとである。「ウォーター・マンダラ」も途中で意識がなくなったりしながら観ていたが、Bプロの後半の作品も記憶が途切れ途切れ。桜井篤史+青井克己の作品はすごかったけれど、届いたテープ自体がダビングのときのモードで失敗していたらしく、サウンドも映像も全編に渡ってノイズがまじってしまっていた。ヤン・ファベークはカメラ固定で渋谷駅から井の頭線に乗り込む客を映しただけの作品。ときどき利用している路線だからあの酔っぱらいラッシュの壮絶さはよくわかる。小口容子の作品は、あのような作品をつくり続けるパワーがすごいなと思うし、言葉の使いかたが印象的。最後は佐々木マスターの料理パフォーマンス。カセットコンロを使ってスパニッシュ・オムレツを目の前でつくり、そのときの包丁さばきの音や語りをサンプラーで次々と重ねていく。途中からじゃがいもがひたすら路上を転がっていく映像上映。いろいろと変わったパフォーマンスを観ることには慣れているつもりだけれど、佐々木マスターがこんな変わったことをする人だったとは。

すべての上映が終了したあとは打ち上げ。出品作家は、一人一品ずつ料理を提供ということになっていて、またたく間にたくさんの料理がテーブルに並ぶ。打ち上げがはじまってから料理をはじめた人もいて、もう食べきれないと思ったころにまた気合の入った料理が。先日LA CAMERAで知り合った袴田さん、寺嶋さん、それからだいぶ前に一度お会いしたことのある那田さん他いろいろなかたとお話しして楽しい時を過ごす。今日はじめて作品を観た作家さんともお話しをしたかったけれど、あまりに作品が多すぎていろいろ混ざってしまっていたり、ところどころ意識がなかったり。帰りは東京方面の中央線で高遠さんに日々の嘆きや愚痴をひたすら聞いてもらう。けっこう遅い時間で、わたしは終電で帰れたけれど他の人たちは大丈夫だったのかな?

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