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割礼

割礼のワンマンライヴを観に吉祥寺のMANDA-LA2に行った。

ここ数年、割礼のワンマンはMANDA-LA2で年1回ぐらいおこなわれている。去年のワンマンは10月だったけれど、季節外れの大型台風に見舞われた。電車も止まっている路線が多く、わたしも出かけるのをひるんだ覚えが。井の頭線は普通に動いていたので行くことができたけれど、客席は割礼のワンマンにしてはかなりさびしかった。ドラムの松橋道伸が「たっぷり演奏しますから、ゆっくり乾かしていってくださいね」とMCをしていたのを未だに覚えている。去る7月のライヴのMCでも、告知の際に去年の台風をネタにしていた。

今年も数日ずれたら台風にあたるところで、不安定な天気が続く毎日だったものの、幸いライヴ当日は行きも帰りも傘をささずに済んだ。着いたのは開演数分前だったけれど、幸い前から2番目のやや下手側の席が一つだけ空いていて、お店の人が案内してくれた。客席後方には灰野敬二の姿が。

大入りのお客さんのなか、この日の割礼は本当に圧倒的な演奏を見せてくれた。割礼のライヴはいつでもすばらしいけれど、それでも長年に渡ってさんざん観続けているわたしとしては、このところ「一番良かった頃に比べると、ちょっと」と思っていたのも事実。個人的には、ラジオバンドという名義で活動していた宍戸幸司(ヴォーカル/ギター)、菅原賢(ベース/コーラス)、松橋道伸(ドラム)の3人が割礼として頻繁にライヴをおこなうようになってしばらくの頃が一番良かったと思っている。今回は、現在の宍戸幸司(ヴォーカル/ギター)、山際英樹(ギター)、鎌田ひろゆき(ベース)、松橋道伸(ドラム)という4人編成でのライヴとしては、ほぼ完全に納得がいく内容だった。最近は、「鎌田ひろゆきはもともとベーシストではないし」とか、山際英樹についても、「ずっと前にやはり4人編成だった割礼で演奏していた頃に比べるとだいぶ遠慮がちなのでは」とか、「宍戸幸司のヴォーカル最近ちょっと声のつやが衰えてきたかな」という気がしていて、そのへんはある程度割り引いて観るようにしていたのが正直なところ。でもこの日はまるでそんなことは気にならない、本当にすばらしいライヴだった。

今回はワンマンということで、久しぶりに聞く曲が多かったのも嬉しかった。1曲目は新曲? 不協和音のツインギターの絡みがカッコいい。「空中のチョコレート工場」は山際英樹の柔らかい音のギターで夢見心地。「なにもかもが腐った」は今まで聴いたのとは全然違う、淡々として速めのテンポのアレンジにびっくり。「緑色の炎」もずいぶん久しぶりに聴いたと思う。短いライヴだと、こういうひたすら重苦しい曲はあまり演奏されることがない。

割礼最初期からの曲「リボンの騎士」や「ゲー・ペー・ウー」では粘っこいツインギターの絡みが最高だし、「アラシ」はちょっとベタな感じもするメロディについほろっと来てしまう。宍戸幸司の激しいギタープレイがカッコいい「光り輝く少女」「風」に続いて、極端に楽器の音数を減らした「のれないR&R」が演奏されて感動的。エコーのかかった宍戸幸司の声が深く心に響く。

イントロの激しいドラムから一転して暗く静かに唄い上げられる「HOPE」には、息を飲んで聴き入ってしまう。重苦しい緊張感を保ちながら轟音ギターソロに突入していく圧巻のエンディング。「がけっぷちのモーテル」も歌詞をかみしめながら聴き入ってしまう曲。このゆったりしたメロディはなんとなくほっとする。「風船ガムのドジ」は合いの手をいれるような山際英樹のギターがいい感じ。

アンコールは「オレンジ」。印象的な間奏のギターのメロディ、光がすーっと射してくるような美しい歌詞の一語一語を噛みしめて胸がいっぱいになってしまう。もう言葉にしきれないほどの感動。

今日は演奏時間がとっても長い! って観ているときから思っていたけれど、終わってみたらなんと2時間半ぐらい経っていた。また次のライヴも行くぞ! という気持ちにさせられる本当にすばらしいライヴだった。

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